死と再生を司る ヴェンデルのご紹介。 デザフェス両日B109

昨日、招き猫の「七織」をご紹介しましたが
本日ご紹介するのは、ゴシックなおしりちゃん「ヴェンデル」です。
ご紹介の前に、死について。

その昔、死はもっと身近なものだといわれていました。
医療もそれほど発達していなかった関係で、人はすぐ死にました。
信仰が生活に組み込まれていたのもあり、墓地はもっとすぐ近くにあったと思うのです。
食うための狩猟、子どもの不潔で残酷な遊びもそうでしょうが、
もっと遡れば罪人のさらし首なんかもそうでした。
はからずとも退屈な人々の娯楽として、処刑が注目されていたのも。
突然の終わり、命の儚さを通して「死」は今よりもずっと生活に密着していたのです。
今は時代が変わって多くの場所で「死」を意識できなくなりました。

免疫のなくなった私たちは、終わり/死に強い不安や恐怖を抱きます。
ただ、その命のサイクルや循環からは運命的に逃れることははずあり得ません。
メメント・モリ(今を楽しめ、私たちは明日死ぬのだから)を意識せず生きるのと
死は当然あるものとして意識して今を生きるのとでは、多分、人生は大きく違うはずなのです。

形や命あるものは、生まれてから(作られてから)穏やかに終わりへ進んでいきます。
変化しないと思われている多くの無機物ですらも、少しずつ変化しています。
変わらないものなど存在しないのです。


<死と再生を司る ヴェンデル>

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ステレオタイプな死神をイメージした、ゴシックホラーなヴェンデル。
大鎌・どくろの首掛け・肩にかけたタッセル・下がったランタン。
何時にも増して小道具が多いおしりちゃんになりました。
魂の管理者というキーワードのため、魂を保管・把握するためのランタンが
象徴的に物語にも表れています。

七織同様、両手にマグネットが仕込んであるので
磁力のきくものでごく軽いものなら持たせられます。
メモスタンドにも使えるのでぜひ身近に置いていただきたいです。


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いつもの雰囲気が違うのは、恐らく前髪がレース糸だからだと思います。
黒いファーを使いたかったのですが、思うより印象が重くなるので
あまり濃い色は避けて使わないようにしているんです。
印象が負けてしまうんですね。
ですが、どこかに使いたかったので黒い前髪を作ってみることにしました。
思ったよりすんなりいけたので、今後こういう前髪の子も増えるかもしれません。


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印象的に青を随所で使いたかったので、鎌の根本とランタンの中身
瞳の色と目の周りのくまなどにも少し青が混ざっています。

この辺はMANA様とか海外のゴシックの影響がでてるかなあ。
個人的に鎌の幽霊のように透けた、オーガンジーのリボンが好きです。


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肩掛けのタッセルだけは取り外し不可です。
どくろの首掛けはカニカンをつけてあるのでネックレスのように着脱可能です。
留め具のカラーは金、タッセルと襟のお色と合わせています。
また、どくろの首掛けのどくろの両脇にチェコビーズあり。


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すべて着脱したところ。
大鎌とドクロにはレジンコーティングしてあるので、
無理な力を加えない限り割れないと思われます。

瞳の色はスカイブルー。
愛パッチをつけようか悩んだのですが、
バンドマン風なのがカッコよかったのでこっちにしました笑


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死者の魂を一時的に幽閉しておくランタン。
狩った魂はこの中に入れておき、一時的にランタンの明り代わりに。
誰かの魂がまだ入っているようです。
着脱できませんが、ゆらゆら腰で揺れて可愛いです。
ボロボロな作りで汚し加工が入ってます。



★ヴェンデルのちいさなおはなし★

陽の光がようやく消えるとランタンがゆら…と光りだしました。 
ヴェンデルは地上に落ちた小鳥を見下ろしていました。 
昇り始めた満月が、大鎌をもう一つの三日月のように照らしています。
大鎌で小鳥の頭上を刈り取ると弱々しい呼吸は止まりました。 

ヴェンデルは死の様子を静かに見守ると、ランタンを掲げます。 
一層青く光り始めたランタンの光は、鼓動の様に瞬いてヴェンデルの顔を下から照らします。 
そしてぬくもりの消えた小鳥の傍から立ち去りました。ヴェンデルはこの瞬間が嫌でした。

自分の仕事をいつも見つめる優しい光が、今は自分をまるで責めているように感じます。 
なぜ私が?悔しくなって睨んでいると、月は不自然に欠けていきました。 
細く浸食されている月は、うろたえている合間に完全に姿を消しました。 

月のない世界、虫の鳴き声も止まってしんとした静寂が、堪らなく不愉快でした。

ヴェンデルはこの夜、完全に一人になった気がしてランタンを引き寄せて胸に抱きました。 
骨に残った死肉の香り、声にならない悲鳴、乾いていく瞳…。 
奪った魂、空になった体は私を怨んでいるだろうか? 
自分が与える眠りの先を知らないのです。

ヴェンデルは悲しくなり、涙は暗い世界を歪ませました。 
落ちそうな涙は、いつの間にか再び開かれた空の瞳に照らされました。 
瞳は徐々にその姿を取り戻し、ヴェンデルに柔らかく触れたようでした。

木の上でヒナが、今鳴きはじめました。

ヴェンデルはランタンのガラス戸をあけました。 
解き放たれた美しい青い光たちは、ヴェンデルの周りを数回回って月の元へ去りました。 
空になったランタンを抱えて、ヴェンデルはその小鳥の顔を黙って、静かに眺めます。 

小鳥の顔は、今はただ安らかでした。

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いかがでしたか?

ヴェンデルは自分の持つ力の絶対さに、少し恐怖を覚えています。
終わりに対して私たちが持つ恐怖を、ヴェンデルもまた感じているのです。
ヴェンデルは死神をモチーフにしていますが、ヴェンデル自体は不死ではありません。
世代交代という形でその役割は受け継がれ、彼(彼女)もまた死んで行くのです。
その先を知らないからこそ、実感を以て「本質」を理解できないのです。

何らかの事故か、寿命か、死んだ小鳥の頭上で鎌を引いたことで
小鳥はその息を引き取りますが、受け継がれた命は確かにそこにあります。
安らかな小鳥の顔を、ヴェンデルはどのような気持ちで眺めていたのでしょうね。

ヴェンデルの名前の由来はラベンダー。
ラベンダーの花ことばは「あなたを待っています」「沈黙」です。


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基本的にSHOPへ公開したおしりちゃんは、いつどなたでも購入していただけます。
ですが、5月28-29日に出展するヨコハマハンドメイドマルシェが終わるまで
展示をしたいので、高額なおしりちゃんにつきましてはお預かりさせてください。
配送は展示が終わった後、6月上旬に行います。

次回の更新は、復刻お顔もちブローチ改め「oh!dear」ブローチと、
はらぺこコウモリちゃんのブローチのご紹介。
また、お品書きになります。

それでは次回をお待ち下さい。



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今回のデザフェスでCast a spell !!は早くも1周年を迎えます… 
1周年記念を祝して 支えてくださった皆様へ
感謝の気持ちをお伝えすべく お楽しみイベントを開催する予定です★ 
合言葉は「遊びに来たよ!」です。 


ぜひお気軽にお声掛けくださいな。
数に限りがあるものなので、なくなってしまったらごめんなさいです!



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