淡い恋のうずき 天使のリリアのご紹介。

こんにちは!
先日より制作を続けていましたオーダー作品制作がすべて終わりました!
まだもう一人だけ前にお受けしたオーダーちゃんがいるので、そちらも進めていますが
近日中にはお披露目できるかなと思っています。

また、「ちいさなおはなし」がなかったころのおしりちゃんをお持ちのオーナー様より、
改めておはなしを承りましたので、オーダーちゃんに追加して2話執筆しました♡*
長く愛してくださって、嬉しさで胸がいっぱいです。
オーダーちゃんたちは現在、それぞれのお家へ旅立つ準備を続けているところです。
到着まで、今しばらくお待ちください。

***

さて、本日さっそくご紹介するのは「天使のリリア」です。
タイトルの「淡い恋のうずき」は後々明らかになる秘密です。

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可憐で乙女の様なリリア、白をベースにさし色にパープルとゴールドを使っています。
手足首の金の輪、足首の金のペイントはギリシャ神やローマの頃の衣装のイメージ。
お靴の色も、ベイビーブルーを白と混色しながらドライブラシで仕上げました。


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素敵なのが天使の輪!
安易に頭上に掲げず、アクセサリーの様な仕立てにはびっくり。
オーナー様の自由な発想とセンスが光ります。う~ん、すごい。
コットンパール風のビーズと、アルミワイヤー仕立て。
軽さを重視しないと自立に響くので、素材選びは慎重になります。


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羽衣の様な天使の羽根。
デザイン制限のために、オーガンジーリボンで羽根をお仕立てすることをご提案しました。
快諾してくださりありがとうございました。

腕辺りに見える長い毛は、襟足です。
人間でいう耳後ろあたりの毛並みのみ長さを残してあります。
前下がりの様な感じです。

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羽根は太幅の白と生成りのオーガンジーを重ねてあります。
純白のオーガンジーが花の様になっていて、
生成りリボンが後ろに大きなボウとして重なっています。
真ん中に金星きらり。ウェディングドレスの様な雰囲気です。
取り外し可能。

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こんな感じ。
オーガンジーは透け感もあって儚い感じ。
独特のラメのような艶があって、天使にはぴったりだと思いました。
これがサテンとかになるとずっとずっと重く見えます。


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座った姿が花嫁さんの様ですね♡*
実はメイクにもこだわっていて、妖艶だけど可憐な感じにしました。
目頭にはホワイトがぼかしてあります。
瞼外半分にピンク、ダブルライン強調にパープルを引いてあり、
目じりの跳ねあげラインと繋がっています。


★リリアのちいさなおはなし★

風の流れに乗って、羽衣の様な羽根をふわふわさせながらリリアは下界を見下ろしていました。
霞んだ雲の合間から見える下界には、多くの生き物、多くの人々が住んでいます。
リリアはその昔小さな花の精でした。
その命が尽きるころ、自分を見てほほえんだ人々の幸せを願い、
神に仕えることを選んだ天使の一人です。
そうやって天使となる魂は少なくありませんが、中でもリリアは人々の幸福のために熱心でした。
リリアはその日も、誘惑に流されやすい弱った人々を魔の手から守るために下界へ降りました。

この世界では、役割を持たない「透明」な魂が多く存在します。
清らかなもの、邪なものとどちらかに振り切った魂はまだ救いがありますが、
曖昧な存在はやがて他人をうらやむようになり、鬱々とした念を放って動けなくなるのです。
その念に捕まった生き物の心に隙ができると、
邪な者たちが地の下から這い出てきて誘惑し始めます。
その魂の見張り番、生き物を迷いから放つ手助けをするのがリリアの役目でした。

リリアは地面に力なく座り込んでいる青年を見つけました。
恐らく透明な魂に感化され始めているのです。
ふわりとした温かな光を纏って、リリアは青年の肩に座り込みました。
嫌な熱気を感じます。
地獄から這い出てきたものが放つエネルギーの様なものです。
リリアはエネルギーを探し当てました。

真っ黒な体の小さな悪魔です。
彼もまた前世は精霊だったのか小さな体で、ちょこまかと様子をうかがっているようでした。
しかし、その燃えるような瞳…どこかで…。

リリアはハッと思い出しました。燃えるような赤い花弁、情熱的に花開いたその姿を。
小さな多年草だった自分とは大違いの憧れの力強い姿!
淡い想いは忘れたと思っていました。
ですが…。

青年越しに悪魔の瞳を見ました。
天使である自分に驚いた悪魔の姿は、見覚えのある真っ赤な姿に燃え上がりました。
青年が気がかりでしたが、悪魔の瞳にはもう悪意が感じられません。
祝福のキスを青年の頬に落とすと、ぽっと紅が差したように温かみが戻りました。
リリアは悪魔の姿を今一度瞳に焼き付けて飛び立ちました。

リリアの胸の奥、アンスリウムの花が鮮やかに花開きました。

***

いかがでしたか?

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リリアのみた悪魔は、なんと悪魔のエイリム!
エイリムもまた、悪魔となる前はアンスリウムという赤い花の精だったのです。
リリアはその力強く咲く姿に憧れ、ひそかに慕っていたのですが…
天使となって洗礼を受けた時、生まれ変わるようにして恋心は奥深くしまわれたのですね。

その昔、リリアも花の精だったといいます。
ぽぽぽ…とリズムよく鈴なりに咲く姿は可憐、姫金魚草という花です。
リナリアとも呼ばれます。

花言葉は「この恋に気付いて」

エイリムがリリアにでしょうか?
それともリリア自身が気付きたいのでしょうか?
相反する二人の、切ない恋模様のお話でした。

さて、続いては…昔のおしりちゃんの物語。
2話連続でお楽しみください。

***

★リスコスのちいさなおはなし★

 

波の色を決める魔女が気まぐれに起こした嵐によって、海は荒れに荒れていました。
海底で暮らすリスコスは、荒波に乗って浜に打ち上げられてしまったのです。

ざざん ざざん
鮮やかな波音を、リスコスは初めて耳にしました。
目にしたこともない強い光と、あふれるような色たちの群れに混乱していました。
おしゃべりな口から、今は声が漏れることはありません。
リスコスは、あまりのことに声を忘れてしまったようです。

やがて水平線に太陽が昇り始めると、自分の帰るべき朝焼けの海の国を思い出しました。
リスコスの周りには、角の取れた透き通った色のついた硬い塊や、
死んでしまった珊瑚のかけらや貝殻、魚の骨が散らばっていました。
リスコスにとってはどれもが珍しい宝でしたが、感動を伝える相手はここにはいません。
砂浜に埋もれて、リスコスは海底に戻る方法を考えました。
海へ入ろうと体を沈めても、すぐに浮き上がってしまって戻れそうにありません。
小さなカニに話しかけようとしても声がうまく出せず、出せても言葉が通じないようでした。

やがて日が暮れ、少しだけ欠けた不格好な月が現れました。
がらくたに埋もれる海底の王女を見つけると、月はリスコスに言いました。
「小さな、大きな海底の迷子ちゃん。そんなに悲しまなくてもいい。
私が満月になったら、あの水平線に潜るように、君をきっと戻してあげるよ。」
リスコスは大きな瞳を月明かりでいっぱいにして見上げました。
優しい月が見守ってくれていても、ここはさみしい世界でした。

リスコスはさみしさを埋めるように、宝物たちを集めました。
どれも海底の世界でなじみ深い色ばかり。
リスコスは海の底に近い色の綺麗な貝殻を見つけると、冠のように頭にかぶりました。

ざざん ざざん
リスコスは、静かに眠りに落ちました。
大きな波音に包まれて、愛しい海底を想います。


波の色を決める魔女とは…マレーヌでした。
リスコスはその海に似た色の貝殻を、頭にかぶっています。
愛しい海を想って帰りたいと強く願うリスコスは、無事に帰れたでしょうか?
 
 


***


★マニスのちいさなおはなし★

 
(右のスレンダーちゃんがマニスです)

身を寄せ合って団体から漏れないようにする仲間を、マニスはいつも不思議に思っていました。
「危険なものから身を守るために、そうするんだよ」と母親に言い聞かせられてきましたが、
受動的な生き方をマニスは必要とは思えませんでした。

食われる側としての羊をなぜやめないのだろう。

そしてついに、ついて行くのをやめて立ち止まってみたのです。
感じることのなかった風の流れを、肩や脛周りに感じました。
マニスは感じることのできなかった開放感を味わいました。
同時に群れはマニスを「異質なもの」とみなして離れ、マニスを可笑しい子と笑いました。
孤独でしたが、何よりマニスは自由になりたかったのです。

マニスには憧れがありました。空飛ぶ鳥、良い香りの花、美しい毛皮のヒョウ…。
言い聞かせられてきた生き方がしっくりこなかったのは、
夢が胸の中でくすぶっていたのだと知ったのです。
生まれた種や性別までも超えて、マニスは自分がよいと思うものになってみようと思いました。

マニスは羊であることをやめるためにまず毛皮を脱ぎ、
自分の毛皮を紡いで糸を作り、自由に洋服を作りました。
花々で噂の調香師に頼み込んで香水を作りました。
頬笑み一つで敵意は薄れ、犠牲を必要としない防衛術も知ることができました。

憧れた鳥のように飛べなくとも長い四肢で踊ると、飛び立つ鳥の羽音のように拍手を浴びました。
花のような魅惑的な香りで人々をうっとりさせました。
ヒョウのような美しい毛皮を持てなくとも、素晴らしい裁縫術とアイディアで、
マニスはいくらでも生まれ変われるのだと実感したのです。

マニスの胸には、憧れの的だけに贈られるキラキラの星バッヂが輝いています。
フラッシュがマニスを照らし、多くの人がマニスに関心を寄せています。
差し伸べられたマイクにマニスは頬笑みながら答えました。

「自由な生き方は誰にだってつかめるさ。
夢見るために、誰かに数えられるだけの、ただの羊で僕は終わりたくなかったんだ」

 
正真正銘のパイオニア、一歩も二歩も先を行く彼は
羊の先頭を走り、新しい生き方を見つけたのですね。
私もマニスの様なゆるぎない生き方をしていきたいと強く思います。


以上、リリア、リスコス、マニスのご紹介でした★*
次回もオーダーちゃんのご紹介。
お楽しみに♪


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