若く才能あるピエロだった骸 フーのご紹介。*

 こんばんは、本日2度目の更新となります。
なお、投稿予約となってますので悩んでいた服装については、
きっと答えた出たのでは?と思っています。

今朝ご案内させていただいたデザフェスのお品書き、
Shop関係のお知らせについてはこちらをご覧ください。

さて、本日ご紹介するのは最後のおしりちゃん…
久々の完全ホラードールになります。(しかばね!)


★若く才能あるピエロだった骸 フーのご紹介★

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ツートンカラーがちょっと奇妙さを醸し出すフー。
前髪は真ん中分け、はねさせたりしてお茶目な感じです。
特筆すべきは額の傷…痛々しく深い傷が刻まれています。
血色は悪く、ところどころ鬱血したりしています。
ピエロという役割上、フーは白塗りをしているのですが
その白さは白塗りだけに起因するものではありません。
なぜって、死んでいるのですから。


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お靴はメタリックカラー。ネイビーとくすんだゴールドの組み合わせ。
つぎはぎ模様はおちゃらけたピエロの衣装の名残。
髪の毛と体の毛並みは互い違い。襟の両脇に★ビーズが下がっています。

ピエロは本来おどけて人を笑わせる喜劇師です。
その素っ頓狂なふるまい、馬鹿をやる、ぶしつけであることが
おかしみを誘い、時にはそのおかしみを盾に位を超えた無礼講ささえも可能にします。
それが許されるかどうかも、ピエロとしての手腕が問われますよね。


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お耳やおしりなどにも、鬱血した色が入っています。
ピエロとなれば、化ける前の人格は無視されて成り立つ役回りではありますが、
そうはいっても血が通う生き物であります。
「雑に扱われる役回り」を演じるその人自身を「雑に扱ってよい」かはまた別の話ですよね。


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お顔のペイントは、右目に十字、左ほほに涙のマークです。
息絶える前についていたペイントがこすれて取れている跡もあったりします。
う~ん、ぜひ近くで見てほしいデザインです。



★フーのちいさなおはなし★

静かにひそやかに、彼は見送られた。
化粧を拭われても表情は悲しみに歪んでいて僕は胸が痛んだ。
額の傷はエンバーミングによって綺麗に隠されている…


親愛なるフー。
なんでこんな風な改まった手紙をって君はおかしく思うだろうけど、たまにはいいじゃないか。
君の頑張りを僕はいつも舞台袖で見ている。
君がおどけてみせる姿は、観客席とここではきっと違って見えるんだろうな。
君の瞳はいつも真剣だ。
本当は上手なくせに玉乗りをしくじったり、キャッチし損ねたボールを
頭で受けたりしているのを見てバカやるのも楽じゃないよなって。
今日は君のステージデビューの日だったろう?
お祝いにこれからあの店で食事をしようよ。

まだまだぺーぺーなせいかうまく立ち回れないことも多くて、
支配人に叱られたり、関係ない雑用押し付けられたりすることもあるけど、
僕は君が一緒でよかったって思ってるんだ。
普通だったら辞めてやるって思う仕事もさ、フー、君がいるから僕は乗り越えてこられたんだ。

出会ってすぐのころ、僕は君がとんでもないスピードで難しい技を飲み込んで
モノにしていく姿を見て、ただものじゃないって思ったんだ。
才能があるこんなすごいやつが、こんな寂れたサーカスでやってていいのかってね。
僕はね、君がもっとでっかいステージでやるべきだって思ってるんだ…。
いずれ超すつもりで追いついていくから、そん時は一緒に出よう、こんなところ。

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フーは笑われていた、いつものように。
しかしこの地域はあまり治安が良くなく、客の質も悪かったせいで、
酒に酔った者が観客席に座ることも多かった。
明らかに酒癖の悪そうなやつらが角瓶を持って騒いでるのを見て、僕はヒヤヒヤしていた。
そして悪い予感は的中してしまったんだ。投げられた瓶はフーの額をかち割った。
倒れて痙攣するフーをやつらは笑ったんだ。

親愛なるフー、僕は君を笑ったりなんかしない。
僕は君をただの一度も笑ったりなんかしなかったのに。

***

今回のおはなしはいつもと違う視点で書いてみました。
葬儀に出されるフーの姿は、生きている頃を違和感なく思わせます。
美しく生き生きとした死に化粧(エンバーミング)がされている様子が
冒頭で描写されています。

慕っていた親友「僕」が、フーに向けて書いた手紙から伺えるように
殺されてしまったフーは、若く、そして才能あるピエロだったようです。
デビューした日を覚えていた親友「僕」は、フーの頑張りを称えるように
またひそかに祝うようにいつものお店を予約していました。
ささやかな祝いのバラの花を用意して舞台袖に立ち、
一仕事終えて舞台裏にはけるフーを、抱きしめて迎えるはずだったんだと思います。
ですが、それもかないませんでした…

夢を追うこと、いわゆる安定した王道から外れること、外れた人を軽視する人がいます。
フーや「僕」も恐らくそういう人々に雑に扱われてきたに違いありません。
役割として与えられている「ピエロ」は、馬鹿にされて笑いを取りますが
演じる演者その人が馬鹿にされていい人物かどうかはまた別の問題です。

心苦しくも、殺されてなお笑われたピエロのフー。
親友の「僕」はたった一度も、フーを「笑い」ませんでした。
真剣に思い慕う「僕」の存在に、さてフーは気づいていたでしょうか?
死して、悲しんでなお笑われる化粧を落とせなかったフー。
でも、きっとフーを思う気持ちは通じるはずだと思い、やみません。

そんな悲しいおはなしのフーを、どうぞよろしくお願いいたします。



以上でおしりちゃんたちのご紹介はおしまいです★*
デザフェス会場、旅人のトランク展でお逢いできることと思います。
楽しみにしております♡*

それでは!



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